【イスラエル】エルサレム②イエス・キリストの最期|聖書を読みながらヴィア・ドロローサを辿る

エルサレム旧市街の中心には、イエス・キリストが十字架を背負って歩いたとされる道「ヴィア・ドロローサ(Via Dolorosa=苦難の道)」があります。

この道は全長約1km。14のステーションが設けられており、それぞれの場所でキリスト受難の場面を思い起こすことができます。

各ステーションにはこのような印があります。

ヴィア・ドロローサでは、その場面に関連する聖句を拝読する信者さんたちの姿がありました。

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観光前に聖書や映画で予習をしておくと、感じ方がまったく違います。

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目次

Via Dorolosa 〜苦難の道〜

第1〜9ステーション:旧市街の通路
第10〜14ステーション:聖墳墓教会
出発地点:イスラム教地区のライオン門付近(Lion’s Gate)

第1ステーション|イエス、死刑判決を受ける

イエスはユダの裏切りによって捕らえられ、ローマ総督ピラトに引き渡されます。

ピラトは罪を見出せなかったものの、群衆の叫びに圧され死刑を宣告します。

  • 総督官邸跡はエル・オマリヤ・スクール(Madrasa al Omariya)敷地内にあり、中に入ることはできません

聖句:マタイ27:1〜26、ルカ23:13〜25

第2ステーション|イエス、十字架を背負う

判決後、イエスは自ら十字架を背負わされます。

  • 鞭打ちの教会(Church of Flagellation)
  • 有罪判決の教会(Church of Condemnation)

そこでピラトは、十字架につけさせるために、イエスを彼らに引き渡した。彼らはイエスを引き取った。イエスはみずから十字架を背負って、されこうべという場所に出て行かれた。(ヨハネ19:16〜17)

🎬 SON OF GOD 1:44:10

次の第3ステーションに行くまでに、立派なアーチが有名なエッケ・ホモ教会(Ecce Homo Church)があります。

“Ecce Homo”=「この人を見よ」とピラトが発した言葉。

イエスはいばらの冠をかぶり、紫の上着を着たままで外へ出られると、ピラトは彼らに言った、「見よ、この人だ。」(ヨハネ19:5)

第3ステーション|イエス、1度目の転倒

鞭打たれ弱ったイエスがゴルゴダの丘へ向かう途中、十字架の重さに耐えかねて倒れた場所。聖書には記述がなく、伝承によるものです。

  • 現在はアルメニア・カトリック教会が建っています

🎬 SON OF GOD 1:46:12

入り口には十字架が立てかけられており、担ぐことができます。

第4ステーション|イエス、母マリアに出会う

イエスは道中、母マリアと出会います。

こちらも聖書に記述はありませんが、伝承に基づき「苦悩の母マリア教会」が建てられています。

🎬 SON OF GOD 1:46:24

第5ステーション|クレネ人シモン、十字架を背負う

第5ステーションはVia Dolorosa通りとAl-Wad通りが交わる場所に。

群衆の中からシモンという男が選ばれ、イエスに代わって十字架を背負います。

彼らが出て行くと、シモンという名のクレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に負わせた。(マタイ27:32)

彼らがイエスをひいてゆく途中、シモンというクレネ人が郊外から出てきたのを捕えて十字架を負わせ、それをになってイエスのあとから行かせた。(ルカ23:26)

🎬 SON OF GOD 1:47:40

入り口脇の壁にはイエスが手をついたとされる跡が残されています。

第6ステーション|ヴェロニカ、イエスの顔を拭う

女性ヴェロニカがイエスの顔を布で拭き、その布に顔が浮かび上がったとされる場面。こちらも聖書記述はなく、伝承に基づきます。

  • 現在は小礼拝堂と石碑が設置されています

🎬 SON OF GOD 1:49:36

ウィキペディアによると、

第6留のシンボルは壁に埋め込まれた石柱である。伝承によれば、この場所にベロニカの住居があったという。ベロニカはイエスの顔を拭うために布を持って家から出てきたのだが、このとき用いた布にイエスの顔が浮かび上がり、「ベロニカのベール」として後世に語り継がれることになった。

第7ステーション|イエス、2度目の転倒

イエスが再び倒れた場所とされる地点。

第8ステーション|エルサレムの娘たちを慰める

泣きながら従う女性たちに、イエスは「わたしではなく、あなたがたのために泣きなさい」と語ります。

大ぜいの民衆と、悲しみ嘆いてやまない女たちの群れとが、イエスに従っていった。イエスは女たちの方に振り向いて言われた、「エルサレムの娘たちよ、わたしのために泣くな。むしろ、あなたがた自身のため、また自分の子供たちのために泣くがよい。・・・・・」(ルカ23:27〜31)

壁には、ラテン十字とギリシア語で「勝利者イエス・キリスト」と刻まれた石があります。

第9ステーション|イエス、3度目の転倒

聖墳墓教会に隣接するコプト教会の中庭が、第9ステーションにあたります。

第10〜14ステーション|聖墳墓教会内

ここから先のステーションはすべて処刑地ゴルゴダの丘があったとされる聖墳墓教会内に集中しています。

第10:服を脱がされる(入口右手外壁)

第10ステーションは入り口右側にみえる突出した部分の外壁の小聖堂となります。

ここでローマ兵たちは、イエスの衣服をくじで分け合います。

彼らはイエスを十字架につけてから、くじを引いて、その着物を分け、そこにすわってイエスの番をしていた。(マタイ27:35〜36)

さて、兵卒たちはイエスを十字架につけてから、その上着をとって四つに分け、おのおの、その一つを取った。また下着を手に取ってみたが、それには縫い目がなく、上の方から全部一つに織ったものであった。そこで彼らは互いに言った、「それを裂かないで、だれのものになるか、くじを引こう」。これは、「彼らは互いにわたしの上着を分け合い、わたしの衣をくじ引にした」という聖句が成就するためで、兵卒たちはそのようにしたのである。(ヨハネ19:23〜24)

第11:十字架に釘打ち(祭壇右手)

聖墳墓教会に入り、右手にある階段をのぼります。2階部分がゴルゴダの丘とされています。

イエスを十字架につけたのは、朝の九時ごろであった。イエスの罪状書きには「ユダヤ人の王」と、しるしてあった。また、イエスと共にふたりの強盗を、ひとりを右に、ひとりを左に、十字架につけた。〔こうして、「彼は罪人たちのひとりに数えられた」と書いてある言葉が成就したのである。〕(マルコ15:25〜28)

されこうべと呼ばれている所に着くと、人々はそこでイエスを十字架につけ、犯罪人たちも、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけた。そのとき、イエスは言われた、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。」(ルカ23:33〜34)

🎬 SON OF GOD 1:52:29

第12:息を引き取る(祭壇左手)

イエスはとうとう息を引き取ります。

🎬 SON OF GOD 1:58:37

祭壇の足元には、十字架が立てられたとされるくぼみのある場所を厳密に示すために銀製の円形プレートが置かれています。巡礼者が列をなしてそのくぼみに頭を垂れていました。

さて、昼の十二時から地上の全面が暗くなって、三時に及んだ。そして三時ごろに、イエスは大声で叫んで、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と言われた。それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。・・・・・イエスはもう一度大声で叫んで、ついに息をひきとられた。(マタイ27:45〜50)

時はもう昼の十二時ごろであったが、太陽は光を失い、全地は暗くなって、三時に及んだ。そして聖所の幕がまん中から裂けた。そのとき、イエスは声高く叫んで言われた、「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます。」こう言ってついに息を引きとられた。(ルカ23:44〜46)

第13:十字架から降ろされる(マリア像のある祭壇)

マリア像が飾られた祭壇は第11と12の間に。

第14ステーションの手前には「塗油の石(Anointing Stone)」と呼ばれる石があります。

弟子のヨセフは息をひきとったイエスの死体をひきとり、塗油の石の上で体に油を塗り、亜麻布に包みます。

夕方になってから、アリマタヤの金持で、ヨセフという名の人がきた。彼もまたイエスの弟子であった。この人がピラトの所へ行って、イエスのからだの引き取りかたを願った。そこで、ピラトはそれを渡すように命じた。(マタイ27:57〜58)

そののち、ユダヤ人をはばかって、ひそかにイエスの弟子となったアリマタヤのヨセフという人が、イエスの死体を取りおろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトはそれを許したので、彼はイエスの死体を取りおろしに行った。また、前に、夜、イエスのみもとに行ったニコデモも、没薬と沈香とをまぜたものを百斤ほど持ってきた。彼らは、イエスの死体を取りおろし、ユダヤ人の埋葬の習慣にしたがって、香料を入れて亜麻布で巻いた。(ヨハネ19:38〜40)

第14:埋葬される(中央の円形建築)

イエスの墓とされる場所は、ロトンダ(円形建築物)の中央に納められています。

ヨセフは死体を受け取って、きれいな亜麻布に包み、岩を掘って造った彼の新しい墓に納め、そして墓の入り口に大きい石をころがしておいて、帰った。(マタイ27:60)

聖墳墓教会にはキリスト教各宗派の礼拝堂や、壁画、装飾など、見所がたくさんあります。

まとめ

宗教的な知識がなくても楽しめますが、背景を少しでも知っておくと深い感動があります。

映画やアプリで聖句を予習して、ぜひイエスの足跡を体感してみてください。

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