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【イスラエル】エルサレム②イエス・キリストの最期|聖書を読みながらヴィア・ドロローサを辿る

イスラエル
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2018年6月12日〜2018年8月2日(52日間)
日本→フランス→ポルトガル→ロシア→イスラエル→モロッコ→スペイン→日本
エルサレム旧市街の中心には、イエス・キリストが十字架を背負って処刑地まで歩んだとされる
ヴィア・ドロローサ(Via Dolorosa=苦難の道)があります。
約1kmにおよぶヴィア・ドロローサには、イエス・キリストにまつわる出来事を記した
14のステーションが設けられています。
各ステーションにはこのような印があります。
ヴィア・ドロローサでは、その場面に関連する聖句を拝読する信者さんたちの姿がありました。
本の聖書ではなくスマホやタブレットで聖句を引いていたのが「さすが21世紀」と思った瞬間。
イエス・キリストのエピソードを思いながら道を歩けば観光が一層奥深いものになると思いますので、
できれば聖書を予習してからヴィア・ドロローサを歩いてみることをお勧めします。
(聖書アプリ無料ダウンロード可能)
活字は苦手、という方には映画がおすすめ。
イエス・キリストを題材とした映画はたくさんありますが、一押しは「サン・オブ・ゴッド」。
イエス・キリストの生涯がまるっとわかります。
では早速、関連聖句を引きながら順にステーションをたどっていきましょう。
第1〜9ステーションは旧市街の通路、第10〜14ステーションは聖墳墓教会。
出発地点はイスラム教地区のライオン門付近(Lion’s Gate)。

Via Dorolosa 〜苦難の道〜

第1(I)Jesus is condemned to death|イエス、死刑判決を受ける
イエスはイエスの弟子の一人「イスカリオテのユダ」の裏切りによって捕らえられ、
ローマ帝国の総督ピラトに引き渡されることになります。
(SON OF GOD 1:19:10)
総督ピラトはイエスになんの罪も見出せませんでしたが、「十字架につけよ」と
群衆の叫びが大きくなり、暴動になるのを恐れた総督ピラトはイエスに死刑判決を言い渡します。
(マタイによる福音書27章1〜26章)
(ルカによる福音書23章13〜25章)
(SON OF GOD 1:40:46)
その死刑判決を受けた総督ピラト官邸跡とされる第1ステーションは現在エル・オマリヤ・スクール (Madrasa al Omariya)という小学校の敷地内にあり、中に入ることはできません。
第2(Ⅱ)Jesus carries his Cross|イエス、十字架を背負う
死刑判決を受けたイエス・キリストは十字架を背負わされることになります。
(SON OF GOD 1:44:10)
そこでピラトは、十字架につけさせるために、イエスを彼らに引き渡した。彼らはイエスを引き取った。イエスはみずから十字架を背負って、されこうべ(ヘブル語ではゴルゴダ)という場所に出て行かれた。(ヨハネによる福音書19章16〜17章)
現在この場所には鞭打ちの教会(Church of Flagellation)および有罪判決の教会( Church of Condemnation)があります。
そして、第3ステーションに行くまでの間に、立派なアーチが有名なエッケ・ホモ教会(Ecce Homo Church)がありますが、エッケ・ホモとはラテン語で「この人を見よ」という意味で、ピラトが騒ぎ立てる群衆に向かって発した言葉です。
イエスはいばらの冠をかぶり、紫の上着を着たままで外へ出られると、ピラトは彼らに言った、「見よ、この人だ。」(ヨハネによる福音書19章5節)
第3(Ⅲ)Jesus falls for the first time|イエス、倒れる(1度目)

鞭打ちなどの拷問を受けたイエスは衰弱しており、ゴルゴダの丘へ向かう途中、十字架の重みに耐えかねて最初に路上に倒れたとされる場所には現在アルメニア・カトリック教会が建てられています。

なお、このシーンに関する聖句は聖書に描写されていません。
(SON OG GOD 1:46:12)

入り口には十字架が立てかけられており、担ぐことができます。
第4(Ⅳ)Jesus meets his mother, Mary|イエス、母マリアに出会う

第3ステーションのすぐ隣に第4ステーションである「苦悩の母マリア教会」があります。

ここで母マリアは十字架を背負ったイエスを見たとされていますが、第3と同じく
このシーンに関する描写は聖書にはありません。
(SON OG GOD 1:46:24)

第5(Ⅴ)Simon of Cyrene helps carry the Cross|クレネ人シモンがイエスの十字架をかつぐ

第5ステーションはVia Dolorosa通りとAl-Wad通りが交わる場所にあります。

近くに居たシモンというクレネ人にイエスの十字架を代わりに背負うよう命令されます。
(SON OF GOD 1:47:40)

彼らが出て行くと、シモンという名のクレネ人に出会ったので、イエスの十字架を無理に負わせた。
(マタイによる福音書27章32節)

彼らがイエスをひいてゆく途中、シモンというクレネ人が郊外から出てきたのを捕えて十字架を負わせ、それをになってイエスのあとから行かせた。(ルカによる福音書23章26節)
礼拝堂入り口の隣には壁にくぼみがあり、ゴルゴダの丘へ向かう途中イエスが触れたことによってできたと言われています。
第6(Ⅵ)Veronica wipes the face of Jesus|ヴェロニカがイエスの顔を拭う

ヴェロニカという女性が布でイエスの顔を拭います。
(SON OF GOD 1:49:36)

聖書に記述はありません。ウィキペディアによると、

第6留のシンボルは壁に埋め込まれた石柱である。伝承によれば、この場所にベロニカの住居があったという。ベロニカはイエスの顔を拭うために布を持って家から出てきたのだが、このとき用いた布にイエスの顔が浮かび上がり、「ベロニカのベール」として後世に語り継がれることになった。

第7(Ⅶ)Jesus falls for the second time|イエス、倒れる(2度目)

イエスが再び倒れます。

第8(Ⅷ)Jesus meets the women of Jerusalem|イエス、エルサレムの娘たちを慰める

イエスは嘆き悲しむ婦人たちに話しかけます。

大ぜいの民衆と、悲しみ嘆いてやまない女たちの群れとが、イエスに従っていった。イエスは女たちの方に振り向いて言われた、「エルサレムの娘たちよ、わたしのために泣くな。むしろ、あなたがた自身のため、また自分の子供たちのために泣くがよい。・・・・・」(ルカによる福音書23章27節〜31節)

壁には、ラテン十字とギリシア語で「勝利者イエス・キリスト」という言葉が刻まれた石があります。

第9(Ⅸ)Jesus falls for the third time|イエス、倒れる(3度目)

第9ステーションは聖墳墓教会に隣接するコプト教会の中庭にあります。ここでイエスは3度目に倒れます。

第10(Ⅹ)Jesus is stripped of this garments|イエス、服を脱がされる
第10〜14ステーションは処刑地ゴルゴダの丘があったとされる聖墳墓教会が舞台となります。
第10ステーションは入り口右側にみえる突出した部分の外壁の小聖堂となります。
ここでローマ兵たちがイエスの衣服をくじで分け合います。
(SON OF GOD 1:51:40)
彼らはイエスを十字架につけてから、くじを引いて、その着物を分け、そこにすわってイエスの番をしていた。(マタイによる福音書27章35〜36節)
さて、兵卒たちはイエスを十字架につけてから、その上着をとって四つに分け、おのおの、その一つを取った。また下着を手に取ってみたが、それには縫い目がなく、上の方から全部一つに織ったものであった。そこで彼らは互いに言った、「それを裂かないで、だれのものになるか、くじを引こう」。これは、「彼らは互いにわたしの上着を分け合い、わたしの衣をくじ引にした」という聖句が成就するためで、兵卒たちはそのようにしたのである。(ヨハネによる福音書19章23〜24節)
第11(Ⅺ)Jesus is nailed to the Cross|イエス、十字架につけられる

聖墳墓教会に入って右手にある階段をのぼります。2階部分がゴルゴダの丘とされています。

場内から向かって右側に設置されている祭壇が第11ステーションとなります。
(残念ながら写真がありません。)
祭壇の向こう側には、十字架に釘を打たれるイエスの描写があります。
(SON OF GOD 1:52:29)
イエスを十字架につけたのは、朝の九時ごろであった。イエスの罪状書きには「ユダヤ人の王」と、しるしてあった。また、イエスと共にふたりの強盗を、ひとりを右に、ひとりを左に、十字架につけた。〔こうして、「彼は罪人たちのひとりに数えられた」と書いてある言葉が成就したのである。〕(マルコによる福音書15章25〜28節)
されこうべと呼ばれている所に着くと、人々はそこでイエスを十字架につけ、犯罪人たちも、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけた。そのとき、イエスは言われた、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです。」・・・(ルカによる福音書23章33〜34章)
第12(Ⅻ)Jesus dies on the Cross|イエス、十字架上で息をひきとる

場内から向かって左側に設置されている祭壇が第12ステーションとなります。

イエスはとうとう息を引きとります。
(SON OF GOD 1:58:37)

祭壇の足元には、十字架が立てられたとされるくぼみのある場所を厳密に示すために銀製の円形プレートが置かれており、巡礼者が列をなしてそのくぼみに頭を垂れていました。

さて、昼の十二時から地上の全面が暗くなって、三時に及んだ。そして三時ごろに、イエスは大声で叫んで、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と言われた。それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。・・・・・イエスはもう一度大声で叫んで、ついに息をひきとられた。(マタイによる福音書27章45節〜50節)
時はもう昼の十二時ごろであったが、太陽は光を失い、全地は暗くなって、三時に及んだ。そして聖所の幕がまん中から裂けた。そのとき、イエスは声高く叫んで言われた、「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます。」こう言ってついに息を引きとられた。(ルカによる福音書23章44〜46節)
第13(ⅩⅢ)Jesus is taken down from the Cross|イエス、十字架から降ろされる

第13ステーションは、第11と第12ステーションの間にあり、マリア像が飾られた祭壇があります。

残念ながら写真はありません。

2階から降り、第14ステーションであるイエスの墓所に行く手前には「塗油の石(Anointing Stone)」と呼ばれる石があります。

弟子のヨセフは息をひきとったイエスの死体をひきとり、塗油の石の上で体に油を塗り、亜麻布に包みます。

夕方になってから、アリマタヤの金持で、ヨセフという名の人がきた。彼もまたイエスの弟子であった。この人がピラトの所へ行って、イエスのからだの引き取りかたを願った。そこで、ピラトはそれを渡すように命じた。(マタイによる福音書27章57章〜58章)
そののち、ユダヤ人をはばかって、ひそかにイエスの弟子となったアリマタヤのヨセフという人が、イエスの死体を取りおろしたいと、ピラトに願い出た。ピラトはそれを許したので、彼はイエスの死体を取りおろしに行った。また、前に、夜、イエスのみもとに行ったニコデモも、没薬と沈香とをまぜたものを百斤ほど持ってきた。彼らは、イエスの死体を取りおろし、ユダヤ人の埋葬の習慣にしたがって、香料を入れて亜麻布で巻いた。(ヨハネによる福音書19章38〜40節)
「塗油の石」の向こう側の壁画には、十字架から降ろされるイエス、塗油の石に横たえられるイエス、埋葬されるイエスが描かれています。

ブレブレですみません。

第14(ⅩⅣ)Jesus is buried |イエス、埋葬される

第14ステーションはイエスの墓とされる場所にあり、ロトンダ(円形建築物)の中央に納められています。

ヨセフは死体を受け取って、きれいな亜麻布に包み、岩を掘って造った彼の新しい墓に納め、そして墓の入り口に大きい石をころがしておいて、帰った。(マタイによる福音書27章60節)
ヴィア・ドロローサのステーションは以上となりますが、聖墳墓教会にはキリスト教各宗派の礼拝堂や、壁画、装飾など、見所はまだまだたくさんあります。
聖書に出てくる登場人物やシーンがわかると一層楽しめると思いますので、ぜひ本や映画で予習をしてみてください。
ちなみに冒頭で紹介した「サン・オブ・ゴッド」は主人公がイケメンすぎると批判を受けた映画。
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