ボールの周辺
出版社:NHK出版
第1章:ある晴れた日に on a sunny day,
第2章:日曜日の午後 Sunday afternoon,
第3章:どこかで、だれかが somewhere, someone,
ボールの周辺にいる人たちはプロのサッカー選手ではなく、ストリートやビーチでサッカーを楽しむごくごく普通の人たちやサポーターの人たち。(マラドーナが一回登場しますが)
写真を通して様々な国の文化や日常生活が伝わってきてあたたかい気持ちになると同時に、世界へ出て旅がしたくなる本です。
子供たちには、ボールの向こう側にある世界の広さや大きさを感じて、みんなどんどん地平線の彼方まで大きく手をふって歩いていってほしいな、と思います。僕には子供はいないけど、子供たちがみんなもってる自由な心や透き通った瞳は大好きですから。
と書かれている通り、近藤さんの写真はスケール感があってボールの向こう側に広がる世界の大きさを感じることができます。
第2章のみ写真にキャプションがついていて、
「水をかける人に、水をかけられる人」
「コーフンしすぎてのぼっちゃった人と、コーフンしすぎて落ちちゃった人」
などクスッと笑えます。たった1行でもストーリーが伝わってくるのが不思議。
サッカーの知識が全くなくても楽しめる一冊です。
木曜日のボール
出版社:日本放送出版協会
『週刊サッカーマガジン』連載「木曜日のボール」(2000年3月29日号〜2001年6月27日号)の中から40篇を選び、新たに15篇を書き下ろして構成されたものです。
見開き片面に写真、もう片面にエピソードという長すぎず短すぎず、テンポよく読めるフォトエッセイ。
旅先でのエピソードはもちろん、近藤さんの少年時代の思い出話もたくさん綴られていて、私生活や人生観を垣間見ることができます。
55あるエピソードの中で『ボールの周辺』というタイトルがありますが、これは『木曜日のボール』が出版される前に発売された写真集のタイトル。その写真集を出すにあたっての想いがここで深く語られています。
「彼らはとても幸せそうに見える。」
『ボールの周辺』を読んだことがある人は深く頷くことができると思います。
『木曜日のボール』を読むとなぜかほっとするのは本に作者の人柄が出ているからでしょうか。
サッカーという名の神様
出版社:日本放送出版協会
前作『木曜日のボール』は近藤さんの私的な話をまとめた本でしたが、こちらの『サッカーという名の神様』はもう少しサッカーそのものについて書かれた本。
世界各国のサッカー事情が見えてきます。
目次
ブラジル:なぜブラジルは強いのか、という愚問
アルゼンチン:荒地のサッカー、怒りのスタンド
パラグアイ :族長が語ったこと
トリニダード・トバゴ:ジャック・ワーナーの100ドルとW杯初出場
ジャマイカ:もう誰もパン屋大尉を止めることはできない
日本:僕が見誤ったいくつかのこと
韓国:2002・Kリーグ・蚕室小学校
モルディブ:代表選手は7000人に1人
スリランカ:老国語教師のサッカー自慢
北アフリカ:砂漠の井戸端サッカー談義
ケニア:マサイのヘディング
ロシア:背番号10の止め方
オランダ:友人Hとオレンジの壁
スペイン:それぞれのクラブ、それぞれの言い分
イタリア:優しいクラウディオ
イングランド:バリー・スミスの語るところによれば
あとがきとして
写真はすべてモノクロで一章に1、2枚ほどの短編エッセイ集です。
ボールピープル
出版社:文藝春秋
「この星は、人とボールでできている」という帯にひかれ興味を持ちました。
世界中のあらゆる場所で撮影したボールを蹴る人々の写真と写真にまつわるエッセイが収められています。
フォトエッセイに登場するのは(遠藤保仁選手を除き)有名な選手ではなく、路上や、ビーチや、え?こんなところで?という場所で蹴っているごくごく普通の一般ピープル。
254ページにわたる読み応えのあるボリュームですが、パラパラと写真を見るだけでも楽しめます。
2014年に設立された第一回サッカー本の大賞と読者賞をW受賞した名作です。